第一回 Special Guest
マジシャン、魔法のスープを訪ねる。
マギー司郎 師匠のおすすめ 魔法のすーぷ「竹とんぼ」

マギー 今日はですね、僕が本当にね、
もう隠しておきたいぐらいのね、
お薦めの店「竹とんぼ」。
“魔法のすーぷ”を紹介したいと
思います。
マスターとは17、8年前から
知りあいなんですよねー。

  というわけで、
マギー師匠と一緒に、
「竹とんぼ」さんにお邪魔しました。

(女将さん、鍋を持ってくる)
マギー “魔法のすーぷ”ってどういうこと?
  女将さん

これはですね、
最初に、この下味のスープを
飲んでいただくんですけど、
つみれを入れて、
魔法のスープになります。

マギー なんかすごく澄んでるんだけど、
全然味ついてないかなと思ったら、
ちゃんとね、おいしい味がね、
なんか。
女将さん これが下味のスープなんですけど、
つみれに合わせて作ったスープ
なんですね。
マギー なるほどー。
で、つみれを入れることによって、
味がどんどん変わっていくとか。
女将さん 変わっていくんです。
最初、下味のスープと、
つみれを入れて味が変わって、
お野菜入れて、
また味が変わるんです。
3段階楽しんでいただけます。
マギー なるほど。
鍋料理でさー、何も具を入れる前に
スープを飲んだのって初めて。
なかなかないもんね。
(スープを飲んで)
なんか、さらっとした、
いい感じですね。
女将さん ありがとうございます。
今これ、生(の、つみれ)を
この中に入れましたんで、
最初は濁るんですが、
沸いてきましたら、また澄んできます。
最後まで澄んだ状態で召し上がって
いただけます。
マギー なんか魔法だね、ほんとにね。
女将さん それで3段階味が変わった他に
ですね、
ずっとお野菜を煮てますと、
その旨味が引きだされまして、
味が変わってまいります。
それで本当に魔法って、
みなさんおっしゃるんですが。
マギー ですねー。
へぇー。また時間が経つと
澄むわけでしょ、これがね。
どうやって考えたんだろうね。
こういうの秘密なんだよね?
女将さん そうですね、企業秘密です。
マギー マスターがやっぱり長年かけて
考えたんでしょうね。
考えてるうちにさ、
突然こうなったりさ。
女将さん いろいろ研究したみたいですね。
マギー 家庭的な感じね、すごくね。
(マスターに)
濁らないように研究してたわけでも
ないのよね? 突然?
マスター 突然じゃなくって、
想像でモノを作っちゃうんですよ。
食べていただくとわかるんですけど、
これ、硬くならないんですよね、
つみれが。
おにぎりもそうだし、
寿司もそうだし、
口に入れたときに、弾けるおいしさ、
それをイメージ作って、
つみれと相性のいいもの、
そのため14種類のいろんなスパイスで
仕上げてるんだけど、
それによってくっつきあうことに
よって、つみれが硬くならない。
 
マギー じゃあさー、
つみれが硬くならないっていうのは、
つみれの工夫もあるんだろうけど、
スープにあるわけ?
どっちかっていうと?
マスター ううん。じゃなくって、
スープとつみれを合わせて
初めて完成品だから、
つみれに入ってるものを知らないと、
このスープは作れない。
それによってこのスープが
どう変化していくかっていうのは、
すべてポイントを持ってるのは、
つみれの方だから。
マギー 長年、やっぱりやってさー、
失敗も重ねてさー、じゃないと
そういうのわかんないよねー。
僕らだってそうだよ?
結局ね、
いろんな免疫をつけてないと。
芸人もそうだけど、職人だからね、
お互いにね。
やっぱりね、いい味は出てこないよ。
それは。
だから今の若い人は
すぐ消えちゃうの。
下積みって大事なのよね。
僕は下積み長すぎたかな。
ハハハハハ。
だって下積みって、
いろんなこと教えてくれるもんね。
女将さん (つみれが煮えてきて)
先程は(スープが)濁りましたけど、
このように煮えてくると、
こうして澄んできます。
これで先程と味が変わって
まいります。
マギー 本当だー、不思議だねー!
じゃ、ちょっといただきます。
(つみれを食べて)
うん、柔らかいわ。おいしい。
女将さん 何よりもスープの味が変わってると
思います。
マギー そうですね。不思議だね、これもね。
なるほど。
つみれの味がスープに溶け込んで、
まろやかになってるね。
なんか、体に優しいね。うん。
これ食べると、
普通のつみれ食べれないな。
この柔らかさ、
マスターの愛情が入ってるよね、
これね。
ママもこのつみれ作るの
手伝ったりするの?
 
  女将さん 手伝いますけど、
やっぱり、この味出すのは出来ないですね。
マギー 味っていうのは、
同じ物入れても微妙なね、
微妙なタイミングとかさ、
間があるのよね。
芸もそうなのよ。
おんなじこと弟子にやらせてもね、
タイミング、間って
教えられないものがあるのよねー。
女将さん そしてキャベツが入ります。
もともとキャベツが持ってる旨味を
このつみれが引きだして
くれるんですね。
お野菜がすごく甘くおいしく
感じられるというか、
より旨味を含んだおいしさが
出てくるんです。
  マギー それぞれの味が表に出てくるように?
女将さん 混ざり合わないで、
大根は大根、ニンジンはニンジン、
そのままのおいしさで召し上がって
いただけますね。
普通、お鍋って混ざっちゃうと、
ごちゃごちゃになっちゃいますけど、
食べたときに、そのままの味、
さらに旨味を増した味を
楽しんでいただけます。
 
マギー これ、スープが素晴らしい
演出家なんだよね。
女将さん つみれが隠れて出している味
なんでしょうけども。
食べちゃうと、
つみれはなくなりますが、
スープに出たおいしさが
そのまま持続できるんですね。
  マギー 演芸の世界もそうなんだけどさ、
演出家がヘタだと、
その芸人が持ってる持ち味が
引き出せなくなっちゃったりするのが
あるのよね。
スープが、芸の世界で言うとさ、
演出家だね。
  (うどんがぐつぐつ煮えてきて)
マギー おー、おいしそうじゃん、ほら。
カレー味だからね。
この油揚げとカレーのうどんが
合うんだ、またこれが。
(うどんを食べて)うまい!
これ、普通のカレーうどんと違うの
よね。
カレーが、うどんに打ち込んで
あるの。
普通はね、スープがカレーでしょ?
違う。うどん自体がカレー味。
この辺がやっぱり、魔法の秘訣かな。
うん。これはね、かなり入るね。
 
    K.Tさんとか、
K.H師匠もそうなんだけど、
焼き肉屋とか行くじゃん?
もう絶対に食べれないほど
注文しちゃうのよ。
ケチって言われるのが
嫌なんだろうね、昔の人って。
だから、
「食えー、食えー、遠慮するな」
もうみんな食えないのよ(笑)。
中には食いたい若手もいるわけ。
でもさー、看板の大御所がさー、
「サンドイッチでいい」とか
「そばでいい」とかって
言われるとさ、
右にならえ、じゃん?(笑)。
   
  竹とんぼ

千代田区麹町4−3 Tビル1F
TEL/FAX:03-3262-4002
営業時間:月〜金 11:30〜14:00
         17:00〜23:00
      土  17:00〜23:00
定休日:日曜・祝日
 *週末は混みあいますので、
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