ビートたけしの やってはいけない
命懸け!スズメバチと格闘日記

Episode:1
「まだ死にたくない・・・」

今回、「ビートたけしのやってはいけない」という番組で、
僕たちは、
“スズメバチに襲われたら?”というコーナーを
担当することになりました。
ここ数年、8月から10月にかけてスズメバチの被害は急増し、
7〜10月の4ヶ月で毎年40人もの人が命を奪われています。
そして、なんと今年はスズメバチの当たり年だと
いうではないですか!
しかも長雨の影響で、
エサを求めて都会に進出してきているらしいのです。

     

その仕事を任されて、まず思ったのは、
「スズメバチって刺されたら危ないじゃん!
 死ぬんでしょ? アレ」
しかし、そんなこと言えるわけもありません。
スズメバチはどうやって人間を襲ってくるのか、を実験するため、
まずはスズメバチの巣を探すことから始まりました。
スズメバチの被害が増えているとはいえ、
当然すぐに駆除されてしまうため、簡単には見つかりません。
足を棒にしてさまよい歩き続けること1週間―。
そして、ついに見つけた、スズメバチの巣。
場所は、代々木公園入り口右手、石垣の間。

     

早速、僕と齊藤は撮影に向かいました―。

しかし、そこで見た光景は―。
非情にも、公園職員の方々が2名、
まさに僕たちが目指す、巣の穴に向かって、
殺虫スプレーを噴射している姿でした・・・。
あまりのショックに、呆然と立ち尽くす僕と齊藤。
あああぁ、また1から出直しだ・・・ガクッ。

Episode:2
スズメバチの巣駆除に密着。

実際、スズメバチに刺されたらどうなるのか?

毎年、夏から秋にかけて、
ハチの巣の駆除依頼が1000件を超えるという、
松戸市役所・すぐやる課のお仕事に同行させていただきました。
(ちなみに、“すぐやる課”の生みの親は、
 昭和44年当時、松戸市長だった、
 マツモトキヨシ創業者の松本清さんだそうです)

     

ロケ前日には、
30件以上のスズメバチの巣の駆除依頼が寄せられていました。

この日は、駐車場の生け垣に出来たコガタスズメバチの巣の駆除。

     

まず巣の周りの枝を切り、
ハチの興奮が収まるのを待ち、さあ、いよいよ駆除。

と!
急に、巣からスズメバチの大群がカメラに向かって、
一斉に飛びかかってきました。

   

何も刺激を与えていないのに、
ハチたちはカメラめがけて“バスッ、バスッ”と、
その毒針で突き刺し始めました。
目の前で繰り広げられる、その光景に、
スズメバチの本当の恐ろしさを実感しました。
これが生身の人間だったら・・・コワイ。夢に出そう。

     


Episode:3
命懸けの実験。

ようやくスズメバチの巣も見つかり、
いよいよ実験のロケをすることになりました。

今回のロケは非常に危険を伴うため、万が一に備えて、
事前ににカメラマンや音声さん等、
スタッフ全員で抗体検査に行きました。

     

全員、陰性。
ホッとするのが普通なのに、なぜかヘコむスタッフ一同。
それもそのはず、
あのオソロシイ実験に挑まなくてはならなくなったのですから。

当日、前日までの空模様が嘘のように晴れ渡り、
絶好のロケ日和。
カメラマン2人、音声2人、
鬼のIディレクターと私が防護服を着て、実験に臨みます。

まずは風船実験。
スズメバチは、
黒いものに対して攻撃してくるという習性があると言われるため、
実際に白と黒の風船を持って、
どちらにスズメバチが攻撃を仕掛けてくるのかを実験する
というものです。
ロケ開始前に、
ある言葉が思わず僕の口をついて出そうになりました。
「ギ、ギブアップ・・・」
暑かったんです。ありえないくらい暑かったんです。
気温はおそらく30度を越えていました。
その上、ビニール製の防護服の中はサウナ状態、
優に40度を越え、あっという間に全身から汗が吹き出します。

     

その暑さに比べれば、
スズメバチの恐ろしさなんて屁でもなく、
「刺されたら、その時さ」と思えるほどでした。

     

その暑さの中、5時間にも及ぶロケが終了したときには、
手袋に溜まった汗が腕を伝い落ち、指はふやけ、
下に着ていた服は、脱水する前の洗濯物のようでした。
確実に3キロは痩せたな。にょほほほほ。

2箇所目のロケ現場であるゴルフ場に着いたときには、
陽も傾きかけていました。
ロケをするにはちょっと暗かったのですが、
支配人の御厚意で発電機をお借りして、
撮影することが出来ました。
ここでは、
人間が巣に近づくとスズメバチはどのような行動をとるのか、
という実験をしました。
対象となった巣は、モンスズメバチという種類だったのですが、
夜だというのに、やたらと元気に僕たちに向かってきました。
後で、玉川大学の小生先生に、
「モンスズメバチは夜行性に近いんだよ。
よく習性を勉強しているね」と褒められましたが、
たまたまロケがおしてしまっただけであって、
結果的にはラッキーでした。

実験の結果、スズメバチは、
7メートル地点に近づくと偵察を始め、
3メートル地点で、1匹飛びだして、
カチカチという警告音を発し、
3メートル以内に入ると、大群で襲ってきます。
(環境や気候によっては異なります)

さすがに陽も沈むと汗の量は減りましたが、
1日中かいた汗を吸った服を着替えられず、ツラかった・・・

Episode:4
スズメバチに襲われないために。

スズメバチに襲われないために―。

 1:黒いものを身に付けてはいけない。
 2:毒液をつけられるので、手で振り払ってはいけない。
   (スズメバチは目や頭など黒いものに対して攻撃を仕掛けてくる)
   (毒液には仲間に敵の所在を知らせる物質が含まれている)
 3:香水をつけない方が襲われにくい。
   (香水の一部には毒液と同じ成分が含まれている
    ものがある)
 4:もし遭遇したら、真っ直ぐ後ろに静かに下がるのが賢明。

ハイキングなどに行く時は、
殺虫剤があると、いざという時に役立ちます。
アウトドアを楽しむ時はもちろんのこと、
都会にいるからといって安心はできません。
以上のことに気をつけて、
スズメバチの被害に遭わないようにしてください。
しかし、宅地造成で住む場所を失ったスズメバチも、
ある意味、被害者なのかもしれませんね。

     

「もっと詳しくスズメバチのことを知りたい」という方は、
宇都宮で便利屋を営む神山さんのホームページを御覧下さい。
神山さんは、21年にわたってスズメバチの研究を続けている、
スズメバチ博士です。
ホームページは博物館のように、
スズメバチに関する情報が盛りだくさんです。

最後に・・・
今回、番組の取材に御協力下さった、
玉川大学・小野先生、春日部の田迎さん、
宇都宮の神山さん御夫妻、新宿東口クリニックの山中先生、
安藤さん、松戸市役所すぐやる課の皆さん、
ディックコーポレーション・加藤さん、
宮崎圏の伊東さん、ゴルフ場支配人・渡辺さんには、
この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。


担当AP:田子和憲


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